「東京新聞」より
学位審査をめぐる金銭授受が判明した横浜市立大学の嶋田紘前医学部長(64)からパワーハラスメントやセクハラ(性的嫌がらせ)を受けたとする申し立てを、部下だった女性医師が同大ハラスメント防止委員会(防止委)に提出していたことが九日、分かった。申し立てから四カ月近く経過したが、調査結果は女性医師に届いておらず、大学側の調査姿勢を疑問視する声も出ている。
女性医師によると、一月四日に防止委の窓口に相談。上司の嶋田前部長から、昨年六月から十一月にかけて、▽足に手を近づけるセクハラ行為をされた▽患者の目前で複数回ののしられるなどのパワハラを受けた▽自分の研究機器を別の部下に取り上げさせる研究妨害を受けた-などと訴えたという。
防止委が設置した調査委員会は、調査期間を一月二十八日から二カ月間と設定。その後「日程調整が困難」などの理由から期間を一カ月延ばし、女性医師に通知した。しかし、延長期限の四月二十八日を過ぎても大学側から連絡はないという。
防止委事務局の同大人事課は「調査経過について申立人に逐一知らせることはしていない。防止委はいずれのケースも問題なく調査している」としている。
嶋田前部長は本紙の取材に「防止委の調査に全面的に協力しており、回答を控えたい」と答えた。
一方、女性医師は四月一日付で、自身の意思に反する形で勤務していた市大付属病院から外部の病院に異動。「大学から三月末以降何の連絡もない。調査が遅れているなら理由を伝えてほしい」と不信を募らせている。
嶋田前部長をめぐっては、金銭授受問題を調査した同大コンプライアンス推進委員会が三月に調査結果を公表したが、金額を全く明かさず、学位謝礼問題以外の問題についても十分な調査を怠っていた。医学部関係者からは「大学側は前部長をめぐる問題の調査に後ろ向きなのではないか」との声も出ている。

