就業規則を設けるだけでは決して解決しないセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)やパワーハラスメント、職場でのいじめ。社会保険労務士らでつくる神戸市の特定非営利活動法人(NPO法人)「トータルサポートひょうご」が、より実践的な防止システムを考案、企業体質の改善に取り組んでいる。「問題が起きる前に改善を」と呼びかけている。
「こなせないような量の仕事を任せる」「必要な資料を見せない」「人格を否定したり、肉体的な特徴をおとしめたりするような発言をする」など、上司から部下、正社員から派遣やパートに対するいじめや嫌がらせは増加傾向にある。
兵庫労働局によると、二〇〇七年四-九月に寄せられた相談のうちハラスメント関連は四百五十九件。全相談の9%で、〇三年度以降、増加傾向という。同NPO理事長の柳内盛仁さん(49)によると、成果主義の浸透や人間関係の希薄化などが影響しているとされ、「加害者だけでなく、企業風土の問題もあるはず」とみる。
防止システムは相談支援、教育支援、解決支援の三本柱だ。
相談支援では、企業の外部相談窓口として被害者からのメール相談に応じる一方、既に担当部署を設けている企業については、担当社員をフォローする。担当に配置されたものの、専門知識が十分でないため、対応に悩む社員も少なくないという。
教育支援ではハラスメントへの対処法、通常の指導との違いなど、企業の業務内容に応じた研修を実施。解決支援ではハラスメントが起きたとき、被害者の支援や、処分について客観的にアドバイスする。
対応するのは社労士のほか、産業カウンセラーや行政書士など労働相談の経験が豊富な専門家。同NPO理事の木津尚也さん(34)は「問題が訴訟になっては被害者と企業の双方にダメージが残る。こじれる前に問題を解決できる組織づくりを手助けしたい」と語る。
セクハラも一昔前に認識は広がったが、あいさつ代わりに肩をさわられることを嫌う女性の心理を理解できない男性は多いという。
「たとえ悪意はなくても女性が嫌だったらセクハラになることを分かって」とハラスメント対策事業部長の明野照美さん(45)。「特に中小企業では、女性を低く見る企業風土が見受けられる」と語る。
「一般論だが、弱い立場の人間に圧力がかかるという傾向は強まっている」と木津さん。「トップの目配りは大切だが、上層部だけではだめ」と組織全体の意識改革が必要と訴えている。
委託料は従業員規模に応じ、月額一万五千-四万円。同NPOTEL078・241・1463
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